Wrye BashのGeneral Readme及びAdvanced Readmeからの要約を行なっていくつもりです。運用面の話はしませんよー。まずはSkyrim SEに関する部分だけ[1]Skyrim LEにはESPFE形式がないので機能的にはそれ以前のものに近い。今回の文章の基底はWrye Bash v308.Beta1のGeneral ReadmeとAdvanced Readmeになります。
Bashed Patch #とは?
Bashed Patchは、主に次の3つの機能を備えた構成可能なプラグインである。
- プラグインのマージ
マージされたプラグインは、255プラグインの制限を回避して非アクティブ化できる。- プラグインから特定のタイプのデータレコードをインポート
互換性の問題を回避するために使用できる。- ゲームに細々とした調整を適用
同じ調整を適用するために他のmodを使用する必要がなくなる。
Skyrim SEだとプラグインのマージ機能がないんですよね…1番びっくりしたのがここでした。まぁ驚いたあとでESPFE形式について学びを得たのですが。
Bashed PatchはWrye Bashを初めて実行したときに作成され、[2]万が一存在しない場合はModsタブの見出し列で右クリックし、Files…→New Bashed Patchを選択して作成すること作成された時点ではBashed Patch, 0.espという空のプラグインとして存在しています。Bashed Patchは最後にロードする必要があることを明示的に示すプラグイン[3]Skyrim SEならModern Brawl Bug FixやDynDOLODなどがない限り、ロードオーダーの最後にある必要があります。まぁLOOTのプラグイングループをいじらない限りはそういう風にソートされます。
Bashed Patchのビルド
Bashed Patch, 0.espのコンテキストメニューから【Rebuild Patch …】を選択すると上図のような構成ウィンドウが出てきます。構成ウィンドウは、左側にセクションのリスト、右側に選択したセクションの項目のリストで構成され、下部に各種操作のボタンがあります。
セクションとその項目にはチェックボックスがあり、あるセクションをチェックすると、そのセクション内でチェックされたすべての項目がBashed Patchに含まれます。チェックされていないセクションと項目はBashed Patchの構築時に無視されます。一部のセクション(Contents Checkerなど)には項目がないため、セクションにチェックを入れるだけです。
太字で表示されたセクション/項目は、最後にBashed Patchが構築された後に追加された要素です。上図でいうと【Import Text】セクション及び【Mighty Magick Skyrim – Artifacts.esp】ですね…なんでSkyrim SEなのにMighty Magick使ってんのとか言わない。
Wrye Bashはほとんどのセクションを自動構成しようとしますが、微調整を行なうこともできます。
ボタン名 | ボタンの説明 |
---|---|
エクスポート | 構成設定をファイルに書き出す |
インポート | 構成設定をファイルから読みこむ |
Revert to Saved | 最後にビルドした構成設定に戻す |
Revert To Default | デフォルトの構成設定に戻す |
パッチをビルドする | 現在の構成設定でBashed Patchをビルドする |
全てを選択 (ウィンドウ下部) | 全てのセクションにチェックを入れ、セクション内の全ての項目にもチェックを入れる |
全てを選択 (アイテム一覧横) | 当該セクション内の項目の全てにセクションを入れる |
全ての選択を外す (ウィンドウ下部) | 全てのセクションからチェックを外し、セクション内の全ての項目のチェックを外す |
全ての選択を外す (アイテム一覧横) | 当該セクション内の項目の全てのチェックを外す |
キャンセル | 構成ウィンドウを閉じる。ビルドしない限りあらゆる変更は破棄される |
Bashed Patchは競合が発生しそうなModを新規導入したり、Bashed Patchに関連するModを更新/削除/ロードオーダーの変更を行なったときには再ビルドするようにしましょう。特に後者で関連Modを削除した場合はCTDするはずです。
プラグインのマージ
…Skyrim SEだとこの機能は使えないようになっています。複数のプラグインの内容をひとつのプラグインにまとめるのはxEditやz-editによるマージ機能のお仕事でしょう。ここでは特に語ることはありません。
プラグインのインポート
プラグインはDescription欄に特定のBashタグ[4]例えば{{BASH:C.Water}}のようなをつけることでWrye Bashに対して「Bashタグの項目は自分にとって大事だ」と伝えていたりします。
Bashed Patchをビルドする際に自動構成されるインポート系セクションはそういう部分を反映しています。まぁそれをどうするかはビルドする人次第なわけですが。
下表はSkyrim(LE/SE共通)が対応している各セクションが何をインポートするかの簡単な説明になっていますが【マージする】と書かれていないセクションについてはセクションのアイテムリスト内で競合がある場合、ロードオーダーで後で読みこまれる物が有効になります。
マージではないのでインポートしたプラグインを無効にする必要はありません[5]Bashタグで無効化して欲しいと言われていない限りは。
セクション | 説明 | 備考 |
---|---|---|
Import Actors | 選択したModによるアクター(NPCとかクリーチャー)への変更をインポートする | – |
Import Actors: AI Package | 選択した全てのModによるアクターのAIパッケージへの変更をマージする | – |
Import Actors: Death Items | 選択したModによる追加されるDeath Item(アクター死亡時に追加されるアイテム)への変更をインポートする | – |
Import Actors: Factions | 選択したModによるアクターが所属する派閥への変更をインポートする | – |
Import Actors: Spells | 選択したModによるアクターが所持する呪文への変更をインポートする | – |
Import Cells | 選択されたModによるセル設定への変更をインポートする | 照明、天候、音楽、セル名、水の設定などなど |
Import Destructible | 選択されたModによる環境への破壊設定への変更をインポートする | オブジェクトの耐久度などが設定されている項目 |
Import Enchantment Stats | 選択されたModによる付呪やObject Effectへの変更をインポートする | – |
Import Graphics | 選択されたModによるモデルやテクスチャへの変更をインポートする | 競合するModを複数導入している場合は何を優先するか考えてセクション内の項目を選択すること |
Import Inventory | 選択された全てのModによるアクターのインベントリ内のアイテムへの変更をマージする | – |
Import Keywords | 選択されたModによるゲーム内で使用されているキーワードへの変更をインポートする | – |
Import Names | 選択されたModによるゲーム内の様々な名前への変更をインポートする | 競合するModを複数導入している場合は何を優先するか考えてセクション内の項目を選択すること |
Import Object Bounds | 選択されたModによるObject Bounds(オブジェクト境界設定)への変更をインポートする | – |
Import Outfits | 選択された全てのModによるアクターの服装への変更をマージする | – |
Import Relations | 選択された全てのModによる派閥への関係についての変更をマージまたは削除する | 削除と変更がかぶった場合は削除が変更より優先 |
Import Sounds | 選択されたModによるゲーム内のサウンド設定への変更をインポートする | – |
Import Spell Stats | 選択されたModによる呪文やActor Effectへの変更をインポートする | 競合するModを複数導入している場合は何を優先するか考えてセクション内の項目を選択すること |
Import Stats | 選択されたModによるアイテムへの変更をインポートする | 競合するModを複数導入している場合は何を優先するか考えてセクション内の項目を選択すること |
Import Text | 選択されたModによる様々な長い文章(本の文章やアイテムのフレーバーテキストなど)への変更をインポートする | 複数の該当Modがある場合は何を優先するか考えてセクション内の項目を選択すること |
Bashed Patchによる微調整の適用
Bashed Patchのビルド時に多くのゲーム設定への調整を個別に設定できます。かゆいところに手が届くのか届かないのかわからないものも多いですが。調整の中には数値調整やブール値(真偽)設定ができるものもあり、項目を右クリックすることで調整できます。初期値は[[値]]、変更された物は[値]で表示されています。
それぞれについての詳細は別に記事にできたらいいなぁ…
セクション | 説明 | 備考 |
---|---|---|
Tweak Actors | アクター(NPC)に関するゲーム内設定を変更する | Skyrimだと”Opposite Gender Anims”に関する変更のみ |
Tweak Assorted | ゲーム内の様々な調整を行なうセッティングが含まれている | 一部の調整は小規模Modの機能の代替として働く |
Tweak Settings | ゲーム内の様々なグローバル設定及び非グローバル設定を変更する調整が含まれる | 一部の調整は小規模Modの機能の代替として働く |
その他の機能
Bashed Patchには以下の追加機能があります。たぶん一番大事であろうLeveled Lists関連はここなのでした。SkyrimはこれだけですがOblivionではもっと多くの機能がここに含まれています。
セクション | 説明 | 備考 |
---|---|---|
Contents Checker | Leveled Listsや服装、レシピ、インベントリに正しいタイプのエントリが含まれていることをチェックし、間違っている物を削除する | – |
Leveled Lists | ModによってLeveled Listsに加えられた変更をマージして互換性を高める | Leveled Listsを変更するModがない場合、このオプションは何もしないので有効のままでも問題ない |
Bashed PatchのLeveled Listsセクションの概要
Bashed PatchのLeveled Listsパッチャーはアクティブな全てのプラグインのLeveled Listを読み取ってマージと削除を行なうものです。マージについては後から読みこまれた物が上書きする原則はそのままなのでロードオーダーがやはり重要です。
- BashタグのないプラグインはあるLeveled Listにおいて新たな項目のみ追加できます。既存の項目を追加しようとしたときは無視され、削除された項目を追加することもできません。
Delev
タグが付いているプラグインは Leveled Listからエントリを削除することができます。そのようなプラグインのマスターに存在するが、プラグイン自体には存在しない項目は削除されます。Relev
タグが付いているプラグインはタグ付きプラグインは既存のエントリを再レベル化したり (リスト内のレベルやカウントを変更したり)、以前に削除されたLeveled Listからのエントリを上書きすることができます。しかし、後からロードした Delev タグ付きプラグインが再びエントリを削除するのを防ぐことはできません。Delev
タグとRelev
タグが両方付いている場合は単にDelev
タグとRelev
タグの両方の効果を組み合わせたものです。
上記に加えて、「空のサブリストを削除する」チェックボックスがチェックされている場合、Leveled ListsパッチャーはLeveled Listから空になっているサブリストを削除します。そうしないと、そのようなサブリストがゲーム内で選択されたときにLeveled Listは何も選択されなくなってしまいます。
しかし、パッチャーは誤って空になったLeveled Listと実行時に埋められたLeveled Listを区別することができないのでこのオプションを安全に使用できるのはロードオーダーに 「Leveled Listsインジェクタを持つプラグイン」[6]よくわからないけどスクリプト制御などで変更を加えるものなんですかね?が含まれていないことがわかっている場合だけです。
プラグインに適正なタグが付いていることを確認し、このセクションを自動のままにしておくことをお勧めします。リストに手動でプラグインを追加したり、リストからプラグインを削除したりするには、「自動判定」チェックボックスをオフにして、「追加」または「削除」ボタンを使用します。後者は、現在選択されているプラグインを削除します。
プラグインに適正なBashタグをどう調べるのか
一例としてxEditのScriptを使う方法があります。xEditを起動して有効化している全てのプラグインを読みこませ、プラグインの名前のところでコンテクストメニューを出して【Apply Script…】下図の例だとAnimated Armoury のPlugin Leveled List Versionに対して適用しようとしています。
出てきたウィンドウのScript一覧からBASH tags autodetectionを選択しOKを押すとメインウィンドウの右側Messagesタブに結果が出ます。今回はこんな感じ。
Namesタグは避けて[7]あえて使う理由はないんじゃなかろうか?Delev、Relev、Inventタグを使ってみようかしら…となります。
Wrye BashのModsタブでNewArmoury.espを選択して説明欄に{{BASH:Delev,Invent,Relev}}と記入して下の保存ボタンをクリックすると
タグの部分に自動判定でDelev、Relev、Invent.Add、Invent.Removeダグが追加されます。こうするとBashed Patchで該当セクションに追加されることになります。
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